中国軍は１５日までに、戦闘機や対空ミサイル、高射砲などの部隊をミャンマーとの国境地帯の雲南省臨滄市に移動させた。同市孟定鎮では１３日、ミャンマー領内から飛来した軍用機による爆撃で住民１３人が死傷した。
　
　　中国の大手ポータルサイト、新浪網は１５日、臨滄市に配備された戦闘機、対空ミサイル、高射砲などの写真を「ユーザーが微博（ウェイボー、中国版ツイッタ）に投稿したもの」と説明し、写真記事として配信した。記事には「また来たら撃墜だ！」などの文字も添えた。駐機中のＪ－７には、空対空ミサイルも搭載されていると紹介した。
　
　　ミャンマー北東部のコーカン地区では、同国政府軍と同国少数民族のコーカン族の反政府組織との戦闘が続いている。コーカン族は中国から移住した漢族系住民だ。
　
　　これまでも中国領内への着弾があったが、１３日の爆撃では中国の住民５人が死亡し８人が負傷。民家が破壊された。中国政府はミャンマー側に厳重に抗議し、説明を求めた。
　
　　ミャンマー大統領事務室のウ・ザウ・ハタイ副主任は１５日になり、「１３日には（ミャンマー空軍による）地上攻撃の計画はなかった」、「ミャンマー空軍と（中国領内着弾の）事態は無関係だ。レーダーやＧＰＳのデータもそれを証明する有力な証拠だ」などとして、中国領内攻撃は同国空軍とは無関係と説明した。
　
　　中国の微博で発表された写真は、飛行場に整列する戦闘機や自動車搭載型の対空ミサイルなど。対空ミサイル部隊が道路を移動する様子も掲載された。戦闘機は飛行場の金網のすぐ外で撮影している。通常ならば機密保持などで写真を撮影が認められない可能性が高く、中国軍部隊の動きを紹介される写真は、中国側が意図的に流した可能性もある。
　
　　新浪網は中国軍がミャンマー国境近くに移動させた戦闘機についてＪ－７（殲－７）との見方を示した。Ｊ－７はプロトタイプが１９６６年初飛行とかなりの旧式機だ。ミャンマーは近年になりロシアの戦闘機ミグ－２９の初期タイプを３２機輸入したとされる。ミグ－２９の初飛行は１９７７年。ミャンマー空軍は中国製のＪ－７も２４機保有しているとされる。（編集担当：如月隼人）（写真はＪ－７が雲南省臨滄市に配備されたと紹介する新浪網ページのキャプチャー）
　
　
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