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原美術館は20世紀を代表する巨匠の日本初個展となる「サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡」を開催する。期間は5月23日から8月30日まで。
サイ・トゥオンブリー(Cy Twombly)は、50年代前半に作家としての活動をスタート。当時のアメリカでは抽象表現主義が席巻しており、一見子供の落書きにも見える即興的な作風は、その影響によって育まれた。やがてアクションペインティングを発表するようになると、手で描くという身体的所作によって、内なるエネルギーを即興的かつ激情的に表現。57年には拠点をローマに移し、この地に伝わる神話や歴史、文学作品をモチーフに取り入れるようになる。その後、79年にニューヨークのホイットニー美術館で回顧展が行われると、これを機にトゥオンブリーの名は一躍世界に知られるように。晩年には高松宮殿下記念世界文化賞、ヴェニス ビエンナーレ金獅子賞、レジオンドヌール シュヴァリエ勲章などを相次いで受賞している。
トゥオンブリーの作品では即興的に描かれる線と絵具の飛沫に、文字、数字、記号などが無秩序に組み合わされている。今回の展示ではそんな彼の作品の中でも、ドローイングやモノタイプといった紙の上に描かれた作品にフォーカス。即興性、速度、劇場、直感といった個性がストレートに感じられるような作品がそろった。
なお、今回の展示は03年にサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館で開催された展覧会を、原美術館の空間に合わせて再構築したもの。同展では生前のトゥオンブリーが自ら作品の選定に携わっており、後に欧米の主要な美術館を巡回すると大きな話題となった。今回の展示会場では53年から02年にかけて制作された約70点の作品を展示。更に、群馬県渋川市にある別館「ハラ ミュージアム アーク」でも、同期間にトゥオンブリーの作品の一部が公開される。
【イベント情報】
サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡
会場:原美術館
住所:東京都品川区北品川4-7-25
会期:5月23日から8月30日
時間:11:00から17:00(祝日を除く木曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
料金:一般1,100円 大高生700円 小中生500円
休館日:月曜日(7月20日は開館)、7月21日