社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
2010年、イギリスの海洋調査船(RRS)「ジェームズ・クック号」が、南極大陸付近の海底で発見した”毛深すぎる”カニ。この新種のカニは、胸や足がフサフサの毛で覆われていたことから、立派な胸毛を持つ米国人俳優デヴィッド・ハッセルホフ(愛称:ザ・ホフ)にちなんで「ホフガニ」(キワ科キワ属)と命名された。そして今、最新の研究によって彼らの生態が次々と判明、人々を驚かせている。詳細についてお伝えしよう。
【その他の画像はこちらから→http://tocana.jp/2015/03/post_5900.html】
■メスとの関係に乗り気じゃない? ホフガニのオス
今月3日、英紙「The Daily mail」が報じたところによると、ホフガニの生態に関する新事実を発見したのは、サウサンプトン大学のリー・マーシュ博士の研究チームだ。それによると、”毛深すぎる”ホフガニたちは、なんと異性を避けるように暮らすことを余儀なくされているという。一体ナゼ!? まさか、毛深すぎることで自分に自信が持てないとでもいうのだろうか――? だが、真実はそうではなかったらしい。
海底火山の熱水噴出孔付近で、大群を成して生息するホフガニ。高い海水温と豊富なミネラル分により、彼らがエサとするバクテリアが大量に存在するのだ。しかし、この一団の中にメスの姿はほとんど見られない。というのも、ミネラル分豊富な熱水が、子ガニにとっては毒となりかねないからだ。
メスたちは、オスと交尾するために熱水噴出孔のふもとまでやって来るものの、コトが済めばそこから立ち去ってしまう。噴出孔から離れていくホフガニが、総じて卵を抱えたメスであることを研究者たちは突き止めている。ちなみに、ほとんどのオスは噴出孔の上部で暮らしているため、ふもとでメスとペアを組むオスの数は極めて限られているようだ。
イソギンチャクやヒトデなどの天敵の間を通り抜け、冷たい水域へと戻るメス。低い海水温は、メスの新陳代謝を鈍らせ、活動も弱めてしまうという。そのような厳しい環境の中で、メスは産卵に臨むのだ。もっとも、子ガニにとっては成長に適した無害な環境であるわけだが……。
一方、その間のオスは何をしているのかというと、相変わらずミネラル分が豊富で温かい噴出孔付近に留まっている。彼らは、フサフサの毛で育てたバクテリアを、櫛のような口でこすり落として食べ、悠々自適な暮らしを送っているようだ。…