社会そのほか速
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「光跡」
毎日のなかで、騒音やとげとげしい会話に気を取られるのではなく、目の前にある「美」に気づける生き方ができたら。そう思いたくなる展覧会が開催されます。
皆既月食が待ち遠しくなる、月の写真
日々刻々と変わる自然を絶えず見つめることで、身近な日常に存在する「美」の瞬間をすくい取ろうとする写真家・遠藤湖舟さん。彼の写真展「天空の美、地上の美。」―見つめること で「美」は姿を現す―が、3月25日(水)からはじまります。
撮影対象は天体から植物や生物、そして川の水面など。多岐に渡る作品のほとんどが東京やその近郊で撮られているとは思えないような、「美」の瞬間を抽出しています。今回は、作品の一部を遠藤湖舟さんの言葉を添えて紹介します。
記事トップの作品は、皆既月食をおもわせる赤銅色の月に、光の跡が輝く「光跡」。4月4日(土)、東京では21時前後に南東の空で見られるという皆既月食。こんな美しい姿を見せてくれるのでしょうか。
思いを馳せたい自然の美しさ
「宇宙をうけとめる」
金色に輝く三日月の作品「宇宙をうけとめる」。
地球のこんなに近くに星が浮かんでいるなんて、これは奇跡。最も身近な天体、月。地球から見る月は休みなく姿を変え、時には雲と戯れる。
「昇る金星」
都会の光が夜空を浸食して、星を見る機会を遠ざけてしまった。でも星がなくなったわけではない。幾千億の星の光は、いつだって私たちに降り注いでいる。
「天空の色彩」
空に展開される色彩の素晴らしさを見ないなんて、人生の喜びの多くを逃していることと同等だ。いつだっていい、ちょっとでもいい、空を見上げてみようではないか。
ゆらぎシリーズ「波光 I」
最後は水面にあらわれる一瞬の美をとらえた代表作「Yuragi」。
水面は自然だけでなく、人工物も受け止める。朝の工場地帯は人も車も少なく、プラントは昇ってきた太陽で清明に輝いている。建物から運河にこぼれ落ちた色と形はゆらゆらと優しく揺れ、まるで何かをささやき合っているよう。
大判作品や映像で圧倒的な世界観を感じて
写真展ではこのほか、新作を加えた約130点が展示されます。なかでも楽しみなのが、大型アクリルや特殊和紙にプリントされた大判作品や屏風、掛け軸に映像です。これらが加わることで、圧倒的な迫力をもって作品の世界観を体感することができます。
「美は身近なところにあふれている」ことに気づかせてくれる写真展。日本橋髙島屋を皮切りに、京都髙島屋、大阪髙島屋、横浜髙島屋にも巡回予定です。…