朴槿惠大統領の名誉を棄損したとして、在宅起訴された産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長に対する公判が９日、ソウル中央地裁で行われ、朴槿惠大統領の密会相手と報じられた鄭潤会氏とセウォル号事故当日に昼食を共にしたと主張する証人が出廷した。１０日付で環球網が伝えた。
　９日付の韓国聯合ニュースによると、証人として出廷したのは「漢学者の李氏」で、セウォル号事故当日の午前１１時から午後２時３０分ごろまで、鄭潤会氏と昼食を共にしたと主張した。別の会社員も同席していたという。鄭潤会氏は１月に証人として出廷した際、「事故当日は李氏と昼食を共にし、午後６時からは別の友人と夕食を食べた」と証言していた。
　これに対し、加藤氏側の弁護士は「李氏は２０００年に当時の金大中大統領夫人の義理の息子だと偽称し、複数の違法行為に関与した疑いも持たれている。０６年には間接収賄罪で有期刑が言い渡された。このような人物の証言は信頼性に欠ける」と反論した。
　問題視されているのは、昨年８月３日に産経新聞電子版に掲載された加藤氏のコラム。事故当日、朴大統領は７時間も「行方不明」となり、「男性と密会していたとの噂がある」と指摘。その相手は当時妻帯者だった元秘書室長、鄭潤会氏だったと名指しし、２人が不適切な男女関係にあったことをにおわせた。これが朴大統領の名誉を著しく傷つけたとして、市民団体が加藤氏を提訴した。
　（編集翻訳　小豆沢紀子）