社会そのほか速
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1995年3月20日の地下鉄サリン事件の発生からきょうでちょうど20年が経つ。同じ月の1日に愛知県の高校を卒業した私は、翌月から東京の出版社に勤務するため月末にも上京を控えていた。とはいえ、最後の春休みとあってわりとのんびりすごしていた気がする。地元テレビ局でこのころ夕方に生放送されていた情報番組のなかで高校生クイズ大会が開催されるというので、同級生の友人と後輩と3人で参加したところ、予選(ペーパーテストと面接があった)を勝ち抜いて本選に出ることになった。その放送がまさにサリン事件の当日だった。
その日、事件の発生を知ったのは昼ごろ、父親が会社からかけてきた電話によってだった。「東京でよくわからないけど、大変なことが起きている」と言われて急いでテレビをつけると、東京の地下鉄で有毒ガスが撒かれたことが報じられていた。これはクイズ大会なんかやってる場合じゃないかもなあ……と思いつつも、ひとまず名古屋市内にあるテレビ局に出かけた。結局、情報番組はその日の夕方にいつもどおり始まり、クイズ大会も何事もなく行なわれた。おそらくこれが東京のテレビ局の番組ならば、事件当日にはクイズ大会はきっと中止されていただろう。振り返るにつけ事件に対する地域間での温度差を感じる。
上京して入った出版社では、創刊2年目のサブカルチャー雑誌「クイック・ジャパン」の編集アシスタントを務めることになる。最初に私が携わった同誌vol.3(7月発売)では「ぼくたちのハルマゲドン」という特集が組まれた。この特集ではマンガやアニメで繰り返し描かれてきたハルマゲドンについて永井豪や楳図かずおなどが語ったインタビューが掲載されたほか、ライターの竹熊健太郎が「おたくとハルマゲドン」と題する長めの文章を寄稿している。
竹熊はこの文章をもとに同年秋には『私とハルマゲドン オタク宗教としてのオウム真理教』という著書を上梓している。私もその編集作業にかかわり、同書に収録する対談や座談会に立ち会ったりもした。なかでも竹熊とノンフィクション作家の大泉実成との対談は盛り上がって、かなり長時間収録した記憶がある。そこで語られた内容は、まだ10代だった自分には勉強になったことも多い。また座談会には、まだ一般的には無名だった岡田斗司夫が参加している。岡田が最初の著書である『ぼくたちの洗脳社会』を上梓するのは、やはり1995年のことだった。
オウム真理教の一連の事件はさまざまな議論を呼んだ。…