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女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。卵胞ホルモンは女性らしい体つきを作る役割を担い、黄体ホルモンは受精卵を子宮内膜へ着床させる働きや、妊娠しやすいよう体内環境を整える役割を果たしています。
この2つのホルモンバランスが保たれることによって、順調な生理をはじめ、妊娠や出産が可能となるのです。
しかし、なんらかの原因で黄体ホルモンの分泌低下や、黄体の存続期間の短縮が起こると、不妊症の原因となります。今回は、黄体ホルモンを不足させないために、食事で補う方法について解説します。
黄体ホルモンを増やす食べ物とは
黄体ホルモンを補うには、ビタミンEを多く含む食べ物の摂取が効果的です。ビタミンEには、老化の防止や、血流の改善、動脈硬化の予防、女性ホルモンの分泌や生成を行う脳下垂体に作用して、生殖機能を維持する働きがあるといわれています。
また、黄体ホルモンの材料にもなっており、妊娠しやすい体作りや流産を防止する働きもあるため、別名「子宝ホルモン」とも呼ばれています。近年では、ビタミンEと排卵誘発剤の併用により妊娠率がアップするという研究結果も出ており、不妊治療にも使用されています。
薬と違って副作用の心配がほとんどないことから、積極的に食べ物から摂るよう指導している医療機関もあるほどなので、妊娠を希望されている方や妊婦の方は、毎日の食事にビタミンEを含んだ食べ物をとり入れることをオススメします。
ビタミンEを多く含む食品には、アーモンドや落花生などのナッツ類、かぼちゃやアボカド、ホウレンソウ、小松菜などの野菜類、コーン油、ひまわり油などの油脂類、あゆやはまちなどの魚介類や卵、納豆などがあります。
また、抗酸化作用のあるビタミンCを一緒に摂ることで、ビタミンEの抗酸化作用をより高められることがわかっているため、併せて摂取することをオススメします。
ビタミンCは、じゃがいも、キャベツ、パプリカ、カリフラワー、ほうれん草などの野菜類、いちご、キウイフルーツ、オレンジ、パイナップルなどの果物類、緑茶などに多く含まれています。
黄体ホルモンは、妊娠・出産に大きく関わるホルモンであるだけに、とても大切なものです。正常に分泌されるためにも、意識した生活を送りましょう。
(管理栄養士 / 川村郁子)