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2015年3月20日、中国主導で今年末にスタートするアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、英国、ドイツ、フランス、イタリアが参加を表明。韓国、カナダ、オーストラリアなども追随する見込みで、雪崩現象が起きている。慎重姿勢を取り続けてきた日米にとっては誤算の展開。世界的な広がりのある国際金融機関がアジアに誕生する以上、日本も参加して関与したほうが得策との見方が広がっている。
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この投資銀行には、東南アジア10カ国、インド、サウジアラビア、ニュージーランドなどを含め三十数カ国が参加を表明。深刻な投資資金不足にあえぐアジア新興国の大半が立ち遅れたインフラ整備を支援するという、中国の提案に飛びついた。先進国の間でもインフラ開発会社や商社、銀行なども「参加しないと21世紀の有望市場・アジアの事業展開で不利になる」(英投資銀行)との懸念が根強い。日本でも、多くの民間企業が参加するよう政府に要請している。
中国はAIIBへの参加を日本、米国にも要請。国際金融筋によると、先に中国の担当者が来日し、財務省担当者らに「日本はアジアの重要な国であり、日本もアジアの発展に向けてAIIBで重要な役割を担ってほしい」と要望した。民間業界からの「関与」要望もあり検討したが、「国際金融秩序を乱す動き」としてけん制していた米国や中国主導への反発が強い首相官邸などに配慮して、「不参加」に傾いた。
ところが、欧州の主要4カ国が参加を表明。米国も、参加国の拡大は止められないと見てAIIBを容認する姿勢に転じた。米国内にも世界の成長センターアジア・中国を取り組むためにもAIIBへの参加が不可欠との声が産業界を中心に上がっており、一転参加に転じる可能性も出てきた。
日本は難しい立場に立たされたが、流れが変わった以上、現実的な目線で中国の構想と向き合うべきではないか。「アジアの中心先進国として孤立を防ぐため関与し、内側から日本の立場を反映すべきだ」(大手商社)との意見もある。「AIIBの否定や対立ではなく、むしろ積極的に関与し、関係国の立場から建設的に注文を出していく道があるはずだ」(20日付日経新聞社説)と主要メディアも「参加」を促している。日米が主導するアジア開発委銀行(ADB)も最近、AIIBとアジアの発展のために協力して取り組む姿勢を打ち出している。(八牧浩行)