こちらでは、比較的初期の黒ニキビを治療する方法について解説しています。

黒ニキビとは？

　表面が黒く変色する黒ニキビというのは、角栓により詰まった毛穴内部に皮脂が溜まり、その皮脂が毛穴に収まりきらず表面に顔を出した状態です。専門用語ではブラックコメド、あるいは解放面皰と呼んでいます。

　皮脂というのは空気中の酸素に触れると酸化し、黒く変色する性質があります。それにより、肌にポツポツと目立つ黒ニキビになるのです。

　この時点では炎症が起きていませんから、特に痛みなどはありません。また、炎症がないということは皮膚組織へのダメージもないという意味なので、この段階で治癒させることができれば、目立つニキビ痕が残る心配もないでしょう。悪化して炎症を起こすと、赤く腫れ上がってしまいますから、何としても、黒ニキビの段階で治療したいところです。

　ちなみにニキビ発生のもととなる毛穴詰まりが発生するのは、ホルモンバランスの乱れが原因です。男性ホルモン過多の状態になると、毛穴の収縮、角栓の発生が促され、ニキビができやすくなってしまいます。

黒ニキビの治療法

　肌表面に黒い斑点が生じてしまい、美容面でも大きなマイナスとなる黒ニキビ。どのような治療法があるのでしょうか。

ホルモン治療

　ニキビの発生原因はホルモンバランスの乱れにあるわけですから、ホルモンバランスを正常に整えることが、ニキビの根本治療となります。ホルモン治療は、女性ホルモンや女性ホルモンに類似した作用をもつ成分を補うことでホルモンの乱れを改善する治療法。

　毛穴詰まりの原因をダイレクトに取り除くことができるため、ニキビのできやすい体質そのものを改善することができます。

面皰圧出

　面皰圧出というのは、ニキビの表面に穴を開けるなどして、そこから毛穴の内容物を摘出する治療です。ニキビの中身を外に出してしまえば、残った穴は自然と塞がっていくので、早期に治癒させることが可能。即効性という意味では非常に優れた方法です。

　しかしながら、これはすでに発生したニキビを消すには有効ですが、予防効果はありません。

ディフィリンゲル

　ディフィリンゲル（レチノイド）は角質を柔軟にして、角栓発生、毛穴収縮を抑えるための薬です。毛穴詰まりの原因を取り除くことができるので、少なくとも塗っている間は新しいニキビの発生も予防することが可能。

　ただし、皮膚刺激などの副作用も報告されている上、治療効果があるのは塗っている間だけなので、根本的な解決になるとは言えません。

　(この記事の監修：​ 相澤皮フ科クリニック院長 / 相澤浩 先生)