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いまいちど胸に手を当てて考えたい「生産性の心理学」

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いまいちど胸に手を当てて考えたい「生産性の心理学」

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 Inc.:原文筆者のリー・ブキャナンさんはウェブメディア『Inc.』の編集主幹です。また、『ハーバードビジネスレビュー』の元編集者で、『Webmaster Magazine』の創設者でもあります。

 溜まりに溜まったメール、詰め込まれたミーティング、電話会議、昨日終わらせるはずだったタスクの数々…。朝、そんなことを考えながら目覚め、夜、それらのことを考えながら眠りにつきます。いっぽう、家族の時間といえば、子どもたちがビデオゲームをする傍らで、営業報告書とにらめっこして過ぎていきます。起業家には、やるべきことがたくさんあるのです。Inc.500の調査によれば、急成長している企業のうち85%のCEOが、1日に10時間以上働いているそうです。そんな状況では、生産性は、ひとつの指標というよりは、もはや強制命令に近いものです。

 現代では、個人の生産性を計測・管理し、成果の最大化を助けてくれるツールやシステムがたくさんあります。しかし、生産性を低下させる要因は、マネジメントのまずさだけではありません。多くは心理的なものです。行動経済学が、私たちが金銭的なコストと報酬について不合理な考え方をすることを明らかにしました。同じく、心理学者やビジネスの研究者、哲学者たちも、人びとが物事を達成するためにとるアプローチのおかしさを指摘しています。

 私たちは、生産性、少なくとも自分がどれだけ生産的かについては、驚くほど主観的な見方をしています。リーダーとして、あなたがしている最も重要な仕事は、それほど生産的なことだとは感じられないかもしれません。こうした仕事は、決まった期限もなく、成果もあいまいだからです。いっぽう、あまり(主観的には)重要でない仕事(例えば受信トレイを空にする)のほうが、確かな満足感を得られたりします。

 私たちは、自分がどれほど達成したかについて、不合理な見方をしています。「1日に10個のことをやろうとして、5つしかできなかったら、自分の生産性の低さにがっかりする」と、グレゴリー・J・レディントン氏(ニュージャージ州ウェストフィールドにある土木建築企業Redcomの社長)は話します。「一方、5つのタスクをやる予定で、すべて達成できたら、自分は生産的なのだと満足を覚える。同じ5つでもね。起業家としての私の役割は、やるべきタスクを決めることだ。だけど、1日の終りに私はやり遂げたのだと思いたい。…

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