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チュニジアの首都チュニスの国会議事堂に隣接する国立バルドー博物館が武装グループ数人に襲撃された事件は、悲惨な結果となった。同国のハビーブ・シド首相は外国人観光客を含む19人が死亡、44人が負傷したとし、死亡した外国人のうち「5人が日本人だった」と発表したが、菅官房長官は「5人死亡の情報は誤り」と否定。安倍首相が「現在のところ3人死亡、3人負傷を確認という情報に接している」と明らかにした。
死亡した3人は東京都内に住む成澤万知代さん(66)と、埼玉県内に住む宮崎チエミさん(49)、宮崎遥さん(22)。博物館には観光バスツアーで訪れたとみられている。天井健二さん(75)、結城敍子さん(68)と、結城法子さん(35)の3人の負傷も確認されている。重傷者もいるといい、日本政府は駐チュニジア日本大使館に現地対策本部を置くとともに、外務省に対策室、官邸に情報連絡室を設置し、確認を進めている。
それにしても、白昼堂々、人気観光スポットの博物館で起きたテロには驚く。18日午前11時(日本時間午後7時)ごろ、軍服で変装した男2人はバスから降りてきた外国人観光客らに向かって銃を乱射、博物館に押し入り、観光客らを人質にとって立てこもった。治安部隊は銃撃戦の末、男2人を射殺し、約4時間後に制圧した。射殺されたのはいずれもチュニジア人でヤシン・ラビディ容疑者とテム・ハシュナウイ容疑者。
襲撃当初、博物館には100人以上の来場者や職員がいて、CNNは逃げ惑う観光客らの生々しい映像を伝えた。人質は全員解放されたが、治安当局は武装集団は現場で射殺した2人以外に逃亡中の関係者が3人前後いるとみて捜査している。
■イスラム国などに3000人以上参加
バルドー博物館は古代ローマ期のモザイク画などを所蔵している人気スポットで、外国人客がたくさん訪れる。シド首相によると、国籍別の死者は日本が最も多く、次いでイタリア人、コロンビア人。ドイツ、スペインなどの観光客もいた。
犯行声明は出ていないが、テロが起きる前、イスラム国に忠誠を誓っているイスラム過激派組織「アンサール・シャーリア」の指導者が「今後数日以内に一連の攻撃が起き、イスラム教徒の状況が変わり勝利を迎える」とインターネット上で宣言していた。
チュニジアは「イスラム国」など国外の過激派組織に3000人以上が参加していると推定されており、同国政府は帰国した戦闘員らによるテロを警戒していた。過激派組織「イスラム国」の関係組織が今回のテロを称賛しており、チュニジア治安当局は関連を捜査するとみられる。
チュニジアは中東・北アフリカ地域の中でも比較的治安が安定しており、外国人を標的とした大規模のテロが起きるのは異例。カイドセブシ大統領は「テロとの戦いに慈悲はない」と強調し、摘発に全力を挙げる考えを示した。