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間もなく初の“シャッフル”を迎える横峯さくら。出場の機会を増やすことができるか
間もなく米LPGAツアーは今季1回目の〝リランキング〞が行われる。これは昨年末の最終予選会で今季の出場権を獲得した選手たちが、ここまでの成績で出場優先順位を入れ替えられるという、日本の女子ツアーにはないシステムで、〝シャッフル〞とも呼ばれる。
米LPGAのシャッフルは2回。1回目はボランティアズ・オブ・アメリカ・ノーステキサス・シュートアウト(4月30日〜5月3日)終了後、2回目はウォルマートNWアーカンソー選手権(6月25〜28日)終了後だ。
日本人選手では、横峯さくらがこの〝リランキング〞の対象だ。昨年12月の最終予選会で11位となり、プライオリティー12というカテゴリーの資格を得た。
が、その中でも横峯は13番目の選手となる。この順位が一つでも違うだけで、試合に出られるか出られないかの瀬戸際となる重要な問題なのだ。開幕戦も順位が下りてこなかったため出場できなかった横峯だが、出場人数が比較的多くなる試合でも、例えばスインギングスカートLPGAクラシックでは、ウエイティングの10番目となっていて、ただ待っていても出場機会を得るのは厳しい。
そうするとマンデーに出場して本戦を狙うのだが、これが100人前後が出場し、通過するのはたったの二人と、かなりの狭き門。
「予選会に合格したのに、こんなに試合に出るのが大変だとは思わなかった。ルーキーは本当に休む間もない」
と、横峯は驚きを隠せない。
横峯が「ルーキーは休めない」という理由にはもう一つ、米ツアーならでは〝ルーキーアワー〞という制度がある。米ツアー1年目の選手は「ツアーについて学ぶ」ことが義務づけられていて、例えば予選落ちした週末やプロアマ戦に出場できなかった日など、時間があるときに先輩プロやルールオフィシャルについて勉強するのだが、これが「1年間で14時間」だから結構な時間だ。日本ツアーで10年以上戦ったとはいえ、横峯ももちろんこの対象となる。
また、ルーキーには1年間いろいろと面倒を見てくれる先輩プロが一人、担当として決められる。2年前に有村智恵が新人のときは、昨年、全英リコー女子オープンを制したモー・マーティンが担当だった。有村はマーティンのプロアマ戦に18ホールついて回り、「日本とは違う文化もたくさんあったし、プロアマのルールも細かく丁寧に教えてもらった」と、感謝したものだ。
日本とは違うタフな環境だが、横峯が1日も早く米女子ツアーの水に慣れ、中盤から後半戦にかけて活躍の場を広げられることを期待したい。
文・武川玲子
週刊パーゴルフ(2015年5月12・19日合併号)掲載
武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国を拠点に、米PGAツアーと米LPGAツアーを中心に精力的な取材活動を続けている。ParOn.だけでなく週刊パーゴルフでもコラム等を執筆中!
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