社会そのほか速
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○健大高崎(群馬)3−1天理(奈良)●(28日・2回戦)
同点の七回1死二、三塁。ゴロを処理した天理の一塁手・坂口が、三塁走者・柴引に視線を送った後、一塁をカバーした二塁手にアンダーハンドでトスをした。「振り返ったら、走ると決めていた」という柴引は迷わず加速し、頭から本塁に滑り込む。何としても欲しかった勝ち越し点を、健大高崎が手にした瞬間だ。
「準備」が生んだ1点だった。試合前、天理のシートノックを見ながら、柴引は一塁手の動きが良くないと感じていた。「相手は強いチーム。少しでも隙(すき)を見つけないと、と思いながら見ていた」。柴引は50メートル7秒6。レギュラーで唯一、サインなしの盗塁が認められていない「打撃の人」。それでも、青柳監督の評価は「柴引は、足は遅いが走塁のセンスはある」というものだ。
健大高崎と言えば、大会記録にあと「3」と迫る26盗塁をマークした昨夏の甲子園での戦いぶりが記憶に新しい。「機動破壊」を掲げるそんなチームが、春夏を合わせ甲子園12試合目で、初めて盗塁なしで勝った。
果たしてチームカラーは変わったのか? 「走塁は『心理戦』。盗塁の数は関係ない」という青柳監督の言葉を裏付ける数字がある。この試合、健大高崎は暴投と捕逸で計3度、一塁走者を二塁に進めている。「相手の機動力を気にしすぎた」と話したのは天理の捕手・堤田だ。チームを3年ぶりの8強に押し上げたのは、やはり「機動破壊」の力だった。【中村有花】