社会そのほか速
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ランニングブームが続く2015年の日本。長距離レースの舞台は、硬い舗装路やトラックだけではない。街を飛び出し、山・森・海といった自然の中を本能のままに駆け回るランナーが増えている。トレイルランニング、トライアスロンなど自然そのままを競技コースにした「ワイルド」な大会に記者自身が参加し、その熱気と魅力を伝えたい。第3回は山の雪上コースを走る「スノーシューラン」だ。
頂上周辺からは日本三霊山の白山が展望できた(石川県白山市)=スノーシューDAYS in白山実行委員提供、以下同
「ザッパ、ザッパ、ザッパ」。足元からリズム良く、しかし奇妙な音がする。ランニングシューズで舗装路を走る時に聞き慣れた「タッタッタッ」というリズムとはまるで違う。なぜなら今、足に雪上歩行具「スノーシュー」をつけ、雪の上を走っているからだ。
■「かんじき」に似たシューズ
スノーシューはベルトで靴と固定して装着する
スノーシューは昔から日本の雪国で使われてきた「かんじき」に似ている。長さ60センチ、幅20センチ程度で、つま先が反り返った楕円形の板。表には靴を固定するためのベルト、裏には鋭利な金属スパイクがついていて、歩くときはかかとが浮く構造だ。足裏の面積が増えると大きな浮力を受けるため、柔らかい新雪の上でも足がズボズボ沈みにくく、スムーズに歩ける。
スノーシューで走るのは、大きなサンダルを履いてペタペタ走る状態に近い。聞き慣れない足音「ザッパ」の正体は、「ザ」は雪面にスパイクが突きささる音。「ッパ」は、地面を蹴った勢いでスノーシューの板が跳ね上がり、かかとに当たる音だ。
1月25日、石川県白山市のクロスカントリーコースで開かれた「全日本スノーシューイング・グランプリシリーズ2015」の白山大会に参加した。昨年始まったばかりで、参加者100人程度の大会だ。普段は雪山の歩行に使うスノーシューの普及も兼ねており、着けたことのない参加者も多いため、レンタル品が用意され、前日には初心者向けの講習会が開かれた。
今年で2回目の大会には約100人が参加した
全長15キロ、標高差200メートルの山頂との間を2周するコースは、大部分がスキーのクロスカントリー用に圧雪された一本道だ。スタート直後、上りに入るとたちまち汗が吹き出す。「雪上レース」と涼しげな響きだが、左右の足に1キロずつ“重り”がついているから、普段より格段にエネルギーを消耗する。気温0度の冷たい外気とは関係なく、体温が上昇し、長袖シャツに羽織った上着の隙間から湯気が立ち上る。
アップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を上げていく。トレイルランニングと同様、急な上りは無理せず歩く。大きな左右のスノーシュー同士がぶつからないよう、少しがに股気味になる。慣れないフォームで走るせいか、すぐにふくらはぎの筋肉が痛み出した。