社会そのほか速
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ボーイズラブ(以下、BL)といえば、男性同士の恋愛を描く小説・漫画などのジャンル。あまり触れたことのない人でも、この名称や概要を知っている人は少なくないでしょう。では、そんなBLに”仕事現場”を題材とした作品が多いのはご存じでしょうか?
「BLと呼ばれる作品の数は、今や膨大。学園モノやファンタジー、歴史モノなど、題材も多種多様にありますが、その中で昔から人気で作品数の多い題材の一つに、仕事モノがあるのは確かです」
こう話すのは、BL関連書籍を多数編集する桜雲社の山本文子さん。特に一般企業を舞台とした”リーマンモノ”は多いのだとか。なぜここまで仕事モノがBL界を占拠しているのでしょうか?
「単にスーツ萌えや、『現代の社会人を登場させた時に、仕事をさせたほうが自然だから』といった理由はありますが、それ以外では『職業があるだけで、登場人物たちのキャラクターや関係性が表せる』のも大きな理由でしょうね。例えば、メガネをかけた弁護士というだけで『勤勉な人なのかな』と受け取れますし、元請けと下請けの社員が出てくればおのずと上下関係が分かったりしますよね。このように、過度な説明をつけずに人となりや、関係性を伝えられるのは大きいです」
また、「営業先の社員と出会う」「地方に出向になる」など、業務を通じて物語を比較的自由に展開できるのも理由なのではとのこと。舞台が学校の場合は、夏休みや修学旅行とどれも展開が似てきますが、「仕事モノ」の場合は職場ごとにさまざまなエピソードが挟めるため、似通った展開になりづらい。だからこそ、作品数が多く、読者の支持も集めやすいのかもしれません。
また、一口に「仕事モノ」と言ってもBLでは多種多様な業界、職種が描かれているそうです。
「アニメにもなった有名どころでいうと、『世界一初恋~小野寺律の場合~』(KADOKAWA/角川書店)の主人公は出版社の編集部員です。また元MR(医薬情報担当者)の社長秘書が主人公の『秘書の恋』(幻冬舎)という作品はMRの専門用語や小ネタが頻出するのが特徴です。更に漁師が主人公の『北の漁場』(二見書房)、テレビ制作会社のADとDの物語の『東京心中』(茜新社)、『交渉人は休めない』(大洋図書)は、タイトルのとおり交渉人が登場します」
もちろんBLなので恋愛が軸になっていますが、中には業務内容が詳細で、仕事の失敗や成功がストーリーに大きく絡んでくる作品も。特に小説は、漫画よりもワンシーンに割くスペースが少なく済むので、より具体的に描かれることが多いようです。
最初にも書いたように、作品数は膨大。舞台となっている職場も多彩なので、皆さんの仕事の参考にもなりそうです。意外にも共感できるストーリーが待っているかもしれません。
山本文子
『腐女子あるある』『腐女子語事典』など、オタク女性向けの書籍を多数制作する編集プロダクションの編集部員。『美術手帖』のBL特集にも登場している
(松本まゆげ+ノオト)
※この記事はシゴトサプリより提供を受けています