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SKY-HIが魅せた日本語ラップ新時代の幕開け

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SKY-HIが魅せた日本語ラップ新時代の幕開け

SKY-HIが魅せた日本語ラップ新時代の幕開け

 

「SKY-HI TOUR 2015 ~Ride my Limo~」ツアーファイナル東京公演が、2015年3月12日(木) 赤坂BLITZで開催された。

SKY-HI 細部にもこだわりを見せるMVが完成
紅白出場もお馴染みとなり国民的な知名度を誇るAAA。そのメンバーでありながら、本格的なラップ活動を行っているのが、日高光啓のソロ名義「SKY-HI」だ。赤坂BLITZは平日にもかかわらず、機材席を開放しても入りきらないファンで埋め尽くされ、超満員。

LIVEでは毎回、様々な仕掛けで楽しませてくれるSKY-HI。この日の演出は、場内が暗転するとSKY-HIのラップだけが響く。姿はないのに高速ラップは続き、会場のボルテージはマックス状態に上がる。すると、センターに用意されたスタンドマイクに黒い人影が。「さあ、宴といこう、皆の衆」の掛け声でSKY-HIの登場、いきなりの『Tyrant Island』だ。SKY-HIの高速ラップはバンドとの相性もよく、生ドラム+生ベースのリズム隊が創りだす極太なビートへホーン、ギター、シンセが様々な音を乗せてくる。そして、勿論SKY-HIの相棒的存在のDJ Jr.もしっかりとスクラッチを聞かせる。「NEO CLASSICAL SET」と名付けられたSKY-HI BAND (Gt、Ba、Key、Dr、FIRE HORNS)の卓越した生演奏が極上のトラックは「The Roots」を思わせるレベルの高さだ。

そして、SKY-HIの卓越したラップが縦横無尽に絡み合ってくる。国民的グループであるAAAのメンバーのソロ活動、どうしてもイメージ的には「J-POPのアーティストが片手間でやっているラップ」とみられるだろう。世間から、そしてラップ好きなファンからそう思われているだろうことはSKY-HIも重々承知。だからこそ彼は、小さなクラブイベントへの出演やフリースタイルバトルへの参加など、プライベートな時間で自らアウェーな場所へ出向きスキルを上げてきた。そんな武者修行はいつしか実力として確実に進化。いまやラップのスキルは「本物」。そんな、SKY-HIの魅力がタップリと堪能できた一夜だった。

LIVEはバンド編成とダンスパートに別れ、ダンスパートではDJ Jr.・SKY-HI DANCERSと共にダンスを披露。何より、SKY-HIが得意とする高速ラップがEDMトラックと相性が良い。ダンスが出来ることも他のラッパーにはないSKY-HIならではの強みと言える。最高のエンターテイナーとしてパフォーマンスを披露。このパフォーマンス力があるからこそ、LIVEが一つの演劇世界を描ける。ラップを通して、SOUL、FUNKなどの様々な音楽、そして演劇舞台、ダンスと色々な場面が最高のクオリティーで見られるLIVE構成となっている。

リリックもAAAのメンバーとして音楽業界、芸能界を生き抜いてきたSKY-HIだからこそ描ける深く、そして刺さる歌詞となっている。『RULE』などは彼にしか書けない圧倒的な説得力を持ち、『トリックスター』ではAAAの日高とSKY-HIの日高をシニカルに描く。すべてがリアル、そしてSKY-HIはファンへ、そして音楽を愛するすべてのリスナーへ近づこうともがいているからこそ、ステージでの姿は美しい。

日本語ラップは本場アメリカのラップ~HIP HOPをベースとしながらも独自の進化を遂げてきた。日本人にしか出せない、日本語でしか描けない日本語ラップ。SKY-HIは、試行錯誤しながら全く新しい形の日本語ラップを提示している。もしも、「メジャーアーティストだから」なんてつまらない理由でSKY-HIを聞いていないなら、絶対に聞かなければ損をする。そして、一度LIVEへ足を運んで見ることをおすすめする。間違いなく、新たな発見が幾つもあるだろうから。
Photo by Satoshi Hata

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