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<オリーブ>“復活”の理由 時代の空気が後押し

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<オリーブ>“復活”の理由 時代の空気が後押し

<オリーブ>“復活”の理由 時代の空気が後押し

 

 「オリーブ少女」という言葉を生み出し、1980、90年代に一大ブームを築いたのち、2003年に休刊した女性誌「Olive(オリーブ)」(マガジンハウス)が12日発売のモード誌「GINZA(ギンザ)」(同)4月号の特別付録「おとなのオリーブ」として“復活”した。昨年は山崎まどかさんの「オリーブ少女ライフ」(河出書房新社)や酒井順子さんの「オリーブの罠」(講談社現代新書)など「オリーブ」関連本も相次いで発行され、休刊から10年以上たった今も“元オリーブ少女”を中心に多くの女性読者を魅了し続けている。また元オリーブ少女だけではなく90年代生まれの新世代のオリーブ少女も生み出しているという。同誌の魅力となぜ今「オリーブ」なのか、その理由を探った。

【写真特集】元オリーブ少女必見! 表紙で振り返る雑誌「Olive」

 ◇「オリーブ少女」とは?

 「オリーブ」は1982年に平凡出版(現マガジンハウス)から創刊され、フランスの女子学生(リセエンヌ)などのファッションやライフスタイルを積極的に紹介する女性誌として人気を博した。オリーブ少女は、同誌が提案するファッションやライフスタイルを愛好する読者のことを指している。女優の沢尻エリカさん主演で昨年4月クールに放送された深夜ドラマ「ファースト・クラス」(フジテレビ系)でもファッション誌の編集長と副編集長が元オリーブ少女であることを告白するシーンが盛り込まれ、ネットを中心に話題になった。

 今回、「GINZA」の特別付録となった「おとなのオリーブ」は、オールカラー144ページで、同誌のスタイリストとして活躍していた近田まりこさんら4人のスタイリストを中心に「もし、2015年にオリーブがあったなら」をテーマに制作された。1994~98年に同誌の専属モデルとして活躍していた市川実日子さんのインタビューや、“渋谷系の王子様”といわれ同誌で連載していたシンガー・ソングライターの小沢健二さんのエッセー「DOOWUTCHYALiKE」の新作も掲載されている。

 ◇「オリーブ」は共通言語

 今回のオリーブ復活は、今年で設立70周年を迎えるマガジンハウスの記念事業でもある「Oliveプロジェクト」の一環というが、「GINZA」の中島敏子編集長によると、同プロジェクト発足のきっかけになったのが14年5月に発行された「GINZA」6月号に付いたとじ込みの冊子「17歳の私へ~オリーブが教えてくれたこと~」だった。「2014年にオリーブがあったら」をコンセプトにした10ページの冊子だったが、中島編集長は「予想以上の反響でこれは大変なことになったと思いました。本誌の特集も『ファッション雑誌を読みましょう』という変わった特集で雑誌自体もよく売れたんですが、『オリーブ』の10ページの功績は大きかったと思いますね」と振り返る。

 「『マガジンハウスです』とあいさつすると、『オリーブ読んでました』と言われる。『オリーブ』が時空を超えて共通言語になっている。(読者に)すごく鮮やかな記憶を残しているんだと思う」と中島編集長は目を細める。また同プロジェクトを担当する電通の石原夏子さんは「(『オリーブ』を読んで)大人になった方が発言力や発信力を持ったことと、大人になって自分を振り返ったときにちょうど『オリーブ』があるのかもしれないですね」と、「オリーブ」読者が大人になって発信側に回ったことや時間が経過してオリーブを振り返るタイミングに来たことを示唆する。

 ◇90年代生まれの「オリーブ少女」も

 「オリーブ」復活を歓迎しているのは元オリーブ少女だけではない。石原さんは「『オリーブ』の認知率が高いのは30代ですが、20代も3割いる。世代を超えてオリーブ少女がいる」と指摘する。また、中島編集長によるとファッションでも90年代ブームが来ているといい、「90年代に生まれた若者の90年代に憧れる気持ちを強く感じます。ストリートが元気だった時代に対して、若者が自分の今を投影したいという気持ちは分かる」と20代も「オリーブ的」なものに共感を寄せているという。

 ◇時代の気分がオリーブと一致

 さらに、今年の春夏ファッションの傾向もオリーブ少女に近い「ピュアでナチュラルな女性像」がトレンドといい、中島編集長は「ここ3、4年は“強い女性像”がトレンドでしたが、今年ふわっと柔らかくなった。風をはらむような柔らかいシルエットや白くてピュアなドレス。時代の気分が『オリーブ』とも一致しているのかもしれない」と推測する。石原さんも「皆が持っている“少女っぽさ”をこれまでは隠したり外に出さないようにしていたのを肯定するようになってきている。それが『オリーブ』の少女っぽさに通じるのでは」と分析。時代の空気もオリーブを後押ししているようだ。

 特別付録として復活した「おとなのオリーブ」。今回の発行を記念して、原宿で「Olive Cafe」が29日までの期間限定でオープンしたり、湘南、代官山でのトークイベントも予定されている。元オリーブ少女だけではなく新たなオリーブ少女を生み、魅了し続けているオリーブの今後の展開にも注目したい。

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