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温かい人柄で誰からも愛された、彼の生涯を象徴するような葬儀だった。2月25日、青山葬儀所で営まれた坂東三津五郎さん(享年59)の告別式には、各界の著名人や一般ファンら5000人の参列者が集い、焼香の列は500mにも及んだ。
4時間にわたる葬儀、すすり泣く声が途切れることはなかった。そんな中で、ひときわ沈痛な面持ちで参列していたのが、木村拓哉(42才)だった。
三津五郎さんと木村は、2006年に映画『武士の一分』で共演して以降、出演作品が重なることはなかったが、その一度の共演が木村に大きな感銘を与え、以後、ふたりは深い絆で結ばれていた。歌舞伎関係者がこう語る。
「『武士の一分』のメーンキャストは、三津五郎さんや檀れいさん(43才)、笹野高史さん(66才)など、時代劇の経験が豊富なかたがたでしたが、主役の木村さんだけが時代劇の経験が浅く、着物での所作や口調など、“江戸の香り”をかもし出すのに苦労をしていました。
そんな木村さんに、現場で真っ先に手を差し伸べたのが、三津五郎さんだったんです。着物姿での歩き方など、江戸時代の人物を演じる上でのイロハを、木村さんに丁寧に教えてあげたそうです」
三津五郎さんが声をかけてくれたことに、誰よりも驚いたのは木村本人だったという。
「劇中での三津五郎さんは、木村さんの妻役の檀さんと不義密通し、最後は宿敵として対決するという、いわば“敵役”ですからね。俳優さんによっては、演技に影響が出るからと、休憩中も敵役とはしゃべらないようにするかたも多いのに、三津五郎さんはそれを差し置いても、自分が伝えられることは伝えようという姿勢で木村さんに接したんです。彼の懐の深さに木村さんは感銘を受け、親交が深まったそうです」(前出・歌舞伎関係者)
日本一のスターと歌舞伎界の名優という多忙極まるふたりの立場上、気軽に飲みに行けるような間柄ではなかったようだが、映画の撮影が終わった後も、ふたりの絆は一層強く結ばれていった。
「毎年正月には、年賀状をやりとりしていたんです。三津五郎さんは近況報告だけでなく、時には演技論について綴ることもあり、木村さんへのアドバイスを惜しまなかったそうです」(前出・歌舞伎関係者)
※女性セブン2015年3月19日号