社会そのほか速
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今や欧州に限らず、世界各地でプレーしている日本人サッカー選手。
特にアジアでは、タイやシンガポールを中心に計100人以上いるともいわれるが、そうした流れに先駆け、これまで17もの国と地域でプレーしてきたのが伊藤壇(だん・39歳)だ。
伊藤は1998年にブランメル仙台(現・ベガルタ仙台)入りするも2年で戦力外に。しかし、「まだサッカーをやりたい」と引退は考えず、2001年にシンガポールのクラブと契約。さらに、その後は「1年1ヵ国をノルマ」にオーストラリア、ベトナム、香港、タイ、マレーシア、ブルネイ、モルディブ、マカオ、インド、ミャンマー、ネパール、カンボジア、フィリピン、モンゴルと渡り歩き、昨年はラオスでプレーしている。
そして、このほど決まった新天地が、なんと“秘境”ブータン!
伊藤が契約したチームは首都ティンプーを本拠にするティンプーFC。もちろん、ブータンで日本人選手がプレーするのは初めてで、すでに現地入りし4月7日に開幕するリーグ戦に備えているという。そんな伊藤を出国直前に直撃し、心境を聞いた。
まず、なぜブータンなのか。ブータンといえば、いまだ外国人の自由旅行を認めていない神秘の国。サッカーに関しても、長くFIFAランク最下位の209位に低迷していた。
「僕はレベルとかお金でチームを決めているわけではなく、どこに住みたいかで決めているんです。ブータンについては、11年にワンチュク国王が来日した際に大きな話題となりましたけど、何十年も前にタイムスリップしたかのような街並みに以前から魅力を感じていました。いつか移籍したいなと考えていたのですが、これまではなかなかタイミングが合わなくて。
今回も本来はバングラデシュのクラブのトライアルに行っていたんですが、それが流れたところでうまい具合にブータンの話が進んでくれたんです」
それにしても、どうやってブータンのクラブとコンタクトを取ったのか。
「たまたまインドでプレーしている知り合いの選手のクラブにティンプーFCの代表が研修に来ていたと聞き、まずは話をつないでもらいました。その後、フェイスブックでやりとりし、相手がロイヤルファミリーだったこともあり話は一日でまとまりました。ただ、後で代表の写真を見たら、20代前半とおぼしき若い女性だったのでびっくりしましたけどね(笑)」
ちなみに、ブータンの選手は全員がアマチュアとのことだが、他にプロ選手は?
「僕以外にアフリカ人のDFがいて、監督はイタリア人(※)と聞いているんですが、正直、僕自身もリーグ戦が4月7日から5月31日までと聞いているだけで細かいことは何もわかっていません(笑)」
※後日、本人のtwitterに投稿されたツイートによると、現在はイタリア人監督は解任され伊藤が選手兼監督として練習を仕切っているという!
まさにアジアの渡り鳥。これまでのキャリアは、申請すればギネス記録にもなるというが、この挑戦はいつまで続くのか。
「さすがに年齢も年齢だし(笑)、最近はいつも最後の気持ちでやっています。よく『あいつは何をしたいんだ』とか言われますけど、僕の中ではしっかりした計画があって、それが徐々に形になってきた。とりあえずはブータンで2ヵ月頑張るだけです」
奮闘に期待しよう!
(取材・文/栗原正夫)