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アカデミー賞授賞式が終了して約1カ月が経った。米エンタテインメント業界のアカデミー賞キャンペーンは、毎年10月から5カ月かけてクレシェンドしていく。長いプロジェクトだが、授賞式終了後は一旦パタッと切り離しが行われる。静けさを取り戻したロサンゼルスで、そんなアカデミー賞授賞式にまつわる広告収入と、ロサンゼルスへの経済効果について振り返ってみた。
今年、アカデミー協会の動きで印象に残ったのは、テレビスポットの増加だ。これまでになく多くのスポットを地上波テレビに打っていた。また、過去には限られた媒体にしか使用が許可されなかったアカデミー賞関連公式イベントの映像の配信・放送が容易になり、さまざまな媒体で見られるようになった。さらに、SNSとの提携による企画も積極的に打ち出された。
明らかにアカデミー協会が視聴者の裾野を広げる戦略に出ていることがわかる。コアな映画ファン以外の一般の視聴者を獲得する努力が見てうかがえ、その努力の結果は広告収入に顕著に反映されている。2015年のアカデミー賞授賞式のテレビスポット枠平均価格は30秒で195万ドル(約2億3400万円*)で、前年の176万ドルを大きく上回った。2009年に大きく落ち込んで以来、6年連続の右肩上がりだ。
アカデミー賞授賞式の広告に高値がつく理由として、アカデミー賞授賞式はアメリカの年間最高視聴率を誇るスーパーボウルの放送などと比べて、CMの枠は少ないものの、視聴者のブランドへの購買効果が6.9%も高いとされている。
大きな経済効果が見込まれるアカデミー賞だが、マイクロノミクス社が2014年1月に発表したデータによると、ロサンゼルス郡へも少なくない利益をもたらしている。ちなみに2013年のアカデミー賞では、6700万ドル(80億4000万円)の直接収入があったそう。
内訳は、リムジンへの支払いが200万ドル(2億4000万円)。地元の女性たちが衣装にかけた費用が200万ドル(2億4000万円)。アカデミー協会自体が授賞式やその他の公式イベントにかけた費用は2600万ドル(31億2000万円)。その他のアカデミー賞関連パーティの費用600万ドル(7億2000万円)などなど。また、これに対して、アカデミー賞授賞式を見た人々のうち0.25%がロサンゼルスを訪れたであろう効果などを入れると、経済効果は2億1600万ドル(259億2000万円)と計上される。…