社会そのほか速
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スマホで音楽や動画、コミックスや書籍などのエンタメコンテンツを楽しむ定番サービスといえば料金定額の“○○ホーダイ”。
スマホで雑誌を読む新しいスタイル
現在、各ケータイキャリアがこのようなサービスを行ない、どれも人気コンテンツとなっている。そんな“○○ホーダイ系”で大きな話題となっているのが、サービスを開始して約半年でユーザー数100万人突破したというNTTドコモの「dマガジン」だ。
「dマガジン」は月額400円(税別)の定額料金で雑誌が読み放題になるサービス。現在では参加雑誌数は120誌を超え、ユーザー数も毎月数十万ずつ増やし続けている。この大ヒットのサービスの仕掛け人であるNTTドコモの書籍ビジネス担当主査・多田康彦さん、同じく書籍ビジネス担当・関智幸さんにお話を伺ってみた。
―どちらかといえば暗い話題が提供されがちな雑誌業界ですが、なぜそこへ着目したのですか?
多田 雑誌の売り上げが落ち込んでいると報道されることは多いですが、掲載されている記事のクオリティが落ちたかというと、そんなことはまったくありません。むしろ、雑誌にはお客様が求めている情報がいっぱいあります。しかし、店舗での立ち読みで終わってしまうことが多い。“これはもったいないな”という思いがありました。
関 雑誌はインターネットのニュースとはまったく違った切り口で記事を展開しますし、その質も高く、読み応えがあります。そしてデザイン。強調すべき写真、タイトルがドンッ!と全面にレイアウトされている。この雑誌ならではの魅力を普段、雑誌をまったく読まないユーザーに届けたいと思いましたね。
多田 もともと弊社では「dブック」という電子書籍、コミックスの個別販売サービスを展開していました。そして各出版社様の発行する雑誌のデジタル化も進んできたというタイミングもあり、「dマガジン」をスタートさせました。また、「dマガジン」をきっかけに雑誌を電子化された版元様も、数社ですがいらっしゃいました。
―現在、約120を超える雑誌が配信されてますが、ここまでの苦労は?
多田 雑誌の種類を充実させることが大変でした。出版社様の中には“これじゃ紙の雑誌が売れなくなる”という意見が多くありましたからね。
―ですよねー。どう考えても400円で120誌以上も読めるほうがお得ですもん。
多田 しかし、サービスを始めると、某出版社様の一部の号では“紙の販売が伸びた”というご連絡もいただきました。“綺麗な写真を大きいサイズで見たい”“この雑誌面白いな!”と感じるユーザー様がいて、紙の雑誌にも注目してくれるようになったんだと思います。これで出版社様に“紙の雑誌のパブリシティになる”ことが認識されたのが嬉しいですね。
―どのような雑誌が人気なのでしょうか?
多田 昨年の10月から週刊誌の配信を始めましたが、これが好評です。週プレさんを始めとする男性週刊誌に特に人気がありますね。男性週刊誌は鮮度のあるニュースを絶妙のタイミングで出して、スポーツから恋愛ネタまで網羅してますので、実は女性読者も多いんですよ。
―え? 女子が男性週刊誌を読むんですか?
多田 女性が書店やコンビニで男性週刊誌を立ち読みするのは、さすがに恥ずかしいですよね。でも「dマガジン」なら、女性も周囲の目を気にすることなく男性週刊誌を読めますから。逆に男性ですと、女性ファッション誌を読まれる方が多いんですよ。
―確かに! 女性誌には男性にとってモテのヒントが多かったりしますね。
多田 そうなんですよ。こうやって店舗では手にすることに抵抗がある雑誌でも気軽に読むことができる。これも「dマガジン」の魅力だと考えています。
―ユーザーに雑誌を快適に読んでもらうための工夫はどうでしょう?
関 すべての雑誌から記事を抜き出して、14のジャンルに並べています。これにより、お客様がより記事を選びやすくなっていますし、今まで興味のなかったジャンルに触れる機会を提供できたと思っています。また、良質な記事を埋もれさせないという効果もありますね。
さらに、「dマガジン」からのおすすめ記事もセレクトして提供しています。毎週編成会議を行ない、旬な情報、ホットなキーワードをピックアップすることで、電車内の中吊り広告をチェックしている感覚で楽しんでいただけると考えています。
多田 やはりスタッフにも雑誌好きの人間が多いので、中吊りや書店で雑誌を選ぶという感覚はスマホでも大切な要素だと思っています。
―一方で、実際に「dマガジン」で雑誌を読む感覚は、紙の雑誌のそれとはまったく別ものです。
関 操作でまずこだわったのは“すべて片手で操作できる”です。紙でもスマホでも、雑誌は電車の移動中や定食屋さんでの食事中などに読まれるお客様が多いですから。
多田 例えば、閲覧中の記事をダブルタップすることで、紙の雑誌と同じサイズで表示できます。ページの移動、他の雑誌を読むなどストレスなく片手で操作できることを心がけました。
―「dマガジン」は今後、どのように発展をしていくのでしょうか?
多田 ガジェット系の情報誌を読んで、そのまま商品をオンラインストアから購入するとか。映画情報誌でチケットを即予約できるなど、「dマーケット」と連動させることで雑誌を読むだけでなく「dマガジン」ならではの楽しみ方を提供していければと思ってます。
それこそ、定食屋さんにタブレット端末が置かれてサラリーマンや学生がそれで雑誌を読む。「dマガジン」を通して、日常生活の一部に雑誌が浸透していけばと思っていますね。
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雑誌愛が強めなスタッフたちが、その魅力を再発掘することで大ヒットにつながった「dマガジン」。紙の雑誌を書店で選ぶアナログ的な感覚を残しつつも、スマホで読むことに最適化されたインターフェースが雑誌に興味のなかった若いユーザーも獲得することに成功したといえるだろう。
そして何より注目したいのが、料金定額制ゆえに記事を読めば読むほどお得になるコスパの高さ! しかも現在、初回31日間無料キャンペーン中。とりあえず、アプリをダウンロードして、スマホで読む雑誌を体験してみてはどうだろうか!
(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/石川耕三)