社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
ファッションデザイナーは時代の流れも決めてしまうことがあるくらい影響力があります。特にそれが「ドルチェ&ガッバーナ」ほどの知名度があればなおさらです。今回、デザイナーのドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナが自身の家族のあり方について持論を展開し、世界中からバッシングを受けています。
■「体外受精で生まれた赤ん坊は人工的で普通ではない」
イタリア誌の取材で、彼らは「体外受精で生まれた赤ん坊は人工的で普通ではない。またゲイカップルによる養子縁組もアブノーマルだ。父親と母親、それに自然に愛し合ってできた子供がいる家族こそが自然なんだ」と発言しました。
いち早く彼らの主張に反論したのが歌手のエルトン・ジョンでした、エルトンは同性婚をした後、2人の子供を体外受精で授かったゲイパパです。エルトンはドルチェ&ガッバーナとは長きに渡り交友がありました。
しかし今回のことを許しがたいエルトンは、自身のインスタグラム上で「ボクの子供達を人工だって、ふざけるんじゃない! 体外受精はゲイであってもそうでなくても、子供を授かりたい愛しあう者たちに与えられた奇跡なんだ! 金輪際君たちの洋服は着ない!」とデザイナーたちを痛烈に批判しました。SNS上で「#boycottdolceandgabbana」を発信し、世界中に彼らのブランドをボイコットすることを呼びかけました。
これには世界中のリベラルなセレブたちが同調しツイッターで炎上しました。ヴィクトリア・ベッカム、シャロン・ストーン、リッキー・マーティン、コートニー・ラブなどからエルトンを支持するツイッターが発信されています。
■ドルチェ&ガッバーナは彼ら自身もゲイ
ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナは、早くから自身のセクシュアリティーを公表。2人は公私にわたってパートナーの関係でした(私的なパートナーシップは2005年に解消)。
敬虔なカトリック教徒であるドメニコ・ドルチェは、宗教の認める理想の家族像を発言しただけだったのかもしれません。しかし、カトリックは体外受精、代理母出産に反対しているだけでなく、アンチ・ゲイでもあり、彼自身のセクシュアリティーを否定していることにもつながります。これは性的マイノリティーが抱える「セクシュアリティーと信仰」という大きな矛盾であり葛藤の種です。
筆者の住むイギリスの政府機関HFEAの2012年の調査によると、イギリスでは体外受精、代理母出産で1万2,000人の赤ちゃんが異性愛者のカップルに、526人の赤ちゃんが同性愛者カップルのもとに誕生しています。(出典:HFEA National Data 2013 Date Sheet Tab23 Same sex Partnership)
筆者の友人にも代理母を通じてパパになったゲイカップルがいます。彼らは父親しかいなくても2人の息子たちをきちんと育てています。またセクシュアリティーを問わず、シングルマザーで頑張っている女性たちも多くいます。
現在、ステファノ・ガッバーナ氏のインスタグラムには「発言の自由」を支持する書き込みも見られます。地元・イタリアの右翼政党はドルチェ&ガッバーナの2人を支持、ある議員はエルトンを「イスラム過激派のタリバンだ」とコメントしました。
体外受精、代理母の倫理を改めて考えさせるこの問題ですが、あなたはドルガバかエルトン、どちらの家族観に賛成ですか。(ジュージー・エレガンザ)