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カリフォルニア州名産として広く販売されているワインの中に、高濃度のヒ素が含まれているものがあることがこのほどわかり、28ものワイナリーが対象となる民事訴訟が起こされた。業界に激震が走っている。
安値で販売されているカリフォルニア・ワインに、発がん性が認められるヒ素が含まれていると指摘されたのは “Charles Shaw”、“Sutter Home”、“Glen Ellen”、“Beringer”をはじめとするカリフォルニア州の28のワイナリー。ナパバレーも有名なカリフォルニア州だけに業界全体が大揺れとなっている。また、それを突き止めたのが米・食品医薬品局(FDA)ではなく民間研究所であったことも含め、CBS系、ABC系ほか多数の米メディアが批判を込めてニュースを伝えている。
その検査を行ったのはコロラド州デンバーにある「Beverage Grades(ビバレージ・グレーズ)」。ケヴィン・ヒックス氏が15年間ワイナリーに勤めた経験を活かし、各種飲料について成分の分析を行う研究所である。1,306本の異なるカリフォルニア・ワインについて検査を行った結果を19日に発表したが、それは米・環境保護庁(EPA)が定めた飲料水に含まれるヒ素の最大許容量を上回る数値が83本のワインから検出され、大容量かつ低価格で販売されているワインほどその濃度が高いことが特徴、といった大変ショッキングなものであった。
それらのワインを異なる研究所に持ち込んで分析を依頼したところ、そちらでも同じ結果が得られたといい、具体的には「トレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)」にて格安価格で販売されている、Charles Shawブランドの“White Zinfandel”にヒ素が最大許容量の3倍。“Ménage à Trois Moscato”が4倍。そして日本でもおなじみのFranziaブランドが出している“White Grenache”からは5倍のヒ素が検出されたとCBSは報じている。
ただし、カリフォルニア州の1000ものワイナリーを代表して組織されている「The Wine Institute」は米メディア『Eyewitness News』に、“すべて偽りです”と断固否定。これに対して検査責任者であるヒックス氏は、ワイン愛好家の命を守るためとして、28のブランドについて安全基準に違反していると法的に訴えることを決意したという。CBSもまた、米・食品医薬品局(FDA)がワインの化合物に関しても飲料水同様の厳しい基準を設けるよう検討すべきだとしている。
これまでもワインにヒ素が含まれているというショッキングな話題が世界の各地で時おり報じられており、樽を洗う際に使用するヒ素入りの洗浄剤、ぶどうの生産時に使用される農薬や肥料などがその要因として挙げられてきた。体にヒ素が蓄積すればガンを発症しかねない。この問題勃発を機に、日本で販売されているワインの成分に関する検査を求める声もあがりそうだ。
※ 画像はabc7.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)