社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
子どもが独立して空き部屋が増えたことなどをきっかけに、リフォームを考える人は多い。
せっかく手を入れるなら、介護が必要になった時など少し先のことまで考えたい。1級建築士で、高齢者住環境研究所(東京)代表取締役の溝口千恵子さんにポイントを聞いた。
高齢期に多いのは、浴室やトイレの改修、壁紙の張り替えなどを中心とした2~300万円のリフォーム。壁紙を替えるなら、将来手すりを付けそうな場所には、ねじが打てるよう木製の下地を入れておこう。また、扉を取り換えるなら、引き戸にできるか検討を。引き戸の方が高齢者には使いやすい。引き戸の方が間口を広く取れるので、家具や車いすの移動も楽にできる。
寝室を、日当たりや風通しがよい部屋に変えることも検討しよう。在宅介護などを利用する際に、簡単な工事で出入り口をつくれるかどうかも、大切な視点だ。
溝口さんは「リフォームはよい機会。専門家の意見を聞きながら、間取りや動線を見直し、将来の生活を具体的にイメージして備えてほしい」と話している。
女性の活躍を促すには、現状として、男性上司が女性部下をうまく育成する必要がある。
ただ、男性上司の目には、女性が男性より「キャリアアップに消極的」「意欲が低い」などと映ることも。女性の真意をくみ取り、うまく指導する方法を考えた。
大成建設(東京)の枌野(そげの)勝也さん(49)は、千葉県の高速道路工事現場の統括所長。女性の部下5人は全て20代の技術職で、男性が大半の現場で元気に働く。
枌野さんは女性部下にもよく声を掛け、信頼関係を築いてきた。だが、彼女らから「結婚したら現場を離れようか」という話を聞くこともある。「男性と同様に現場で経験を積んでほしいが、実は現場が嫌なのだろうか」と気になる。
同社が11月、男性上司を対象に行った女性管理職の育成研修でも、「女性は自分の将来性に線引きしているようだ」などと、女性のやる気を測りかねる声が挙がった。人事部の塩入徹弥さんは「女性は周りに女性のロールモデルがなく、キャリアアップに不安がある。男性上司も管理職候補の女性を育てた経験が少なく、戸惑っている」と話す。
「女性がやる気になれるかどうかは、上司の管理能力次第」と話すのは、リクルートワークス研究所(東京)主任研究員の石原直子さん。男性部下しか育てた経験のない上司は、男性と同じ反応を女性にも求めがち。女性が違う反応をすると「やる気がない」と思いこむ。その態度に、女性は「期待されていない」と感じ、消極的になるという。
加えて、結婚や出産などのライフイベントも、女性の働き方に影響する。こうした点を理解し、個々の事情を見極めるのが、女性部下の育成に重要だ。
日立ソリューションズ(東京)部長で、女性20人を含む125人のシステムエンジニアを束ねる斉藤秀暁さん(48)。「女性は意欲にバラツキがある」と感じたため、意識して話しかけ、現在の状況や希望を把握、それぞれが活躍しやすい環境づくりを心がけている。
例えば、「意欲がある」と感じた女性部下が育休から復帰した際は、彼女が午後5時になると帰宅するという事情を、取引先にも伝えた。取引先も配慮してくれ、女性部下は出産前と同じ仕事をし、成果も上げているという。
石原さんは「女性のやる気を引き出すには、期待し続けることが大事。『あなたならできる』『やってみようよ』と声をかけてください」と助言する。
女性部下の育成では、「コミュニケーションにも気を使って」と話すのは、多くの企業で管理職研修の講師を務める、キャリアアドバイザーの田島弓子さん。
まず、女性は共感を求めている場合が多いことを意識する。上司が素っ気ない態度を取ると、やる気を失いがちだ。「日頃の頑張りを認め、話をじっくり聞いてあげて」
また、男性より女性は自己肯定感が低い傾向があり、昇進を打診しても「自分にできるのか」と考え込みやすい。それを「やる気なし」と取らず、「もっと成長できる」「チームに貢献して」と背中を押すといい。女性は自らの成長を実感でき、周囲に認められる点を重視するからだ。
逆に、失敗した時は、女性は外に原因があっても自分を責めることがあり、頭ごなしに叱ると追い詰めることになるので避けたい。声の掛け方での注意点は他にもある=表=。
女性の側も、「私なんか……」「生意気と思われるかも」と内向きにならないよう意識したい。「会社のため、チームのためになると考えて動けば、きっとやる気が伝わるはずです」(宮木優美)
冬場は、お風呂の温度にも気を配ると良い。
寒い中で服を脱ぎ、湯につかり、また脱衣所に戻る――。体温が急激に変わることで、血圧も大きく変動する。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病のある人や、高齢者の場合、脳卒中や心筋梗塞の引き金にもなりかねない。高齢者の入浴中に心肺停止が最も多く起きるのは1月で、最も少ない8月の11倍起こりやすい、という調査もある。
東京都健康長寿医療センター研究所副所長の高橋龍太郎さんによると、お湯の温度は41度以下、脱衣所の室温は20~25度程度が理想だという。高橋さんは、「年を経るとともに、知覚は鈍くなります。冷たい、温かいという自分の感覚を頼りにせず、脱衣所にも温度計を置いてみてください」と話す。
脱衣所だけでなく、浴室全体も暖めることが大切だ。浴槽の蓋を開けてわかす、高い位置からシャワーでお湯をはるなどの方法がある。
熱すぎない湯につかれば、緊張が和らぎ快眠につながる。温度に気を配りながら、冬の入浴を楽しもう。
大場洋さん 58歳 日本語学校講師
JR新宿駅に近い日本語学校「アークアカデミー新宿校」。講師の大場洋(ひろし)さん(58)が、十数人の若者に向かい、ピアノとギターが描かれたイラストを掲げた。
「私はピアノが特に好きです。特に、は一番のことですよ」。教壇に立ち始めて8か月。少しずつコツがつかめてきたところだ。
教え子の国籍は中国、タイ、フランス、ロシア、イタリア、アメリカと多彩。「先生、楽しかったです。ありがとう」。授業が終わり、たどたどしい日本語で話しかけられると、思わず笑みがこぼれた。
◇
元々は理科系だった。大学卒業後、東京の電子機器専門の商社に勤め、1995年に仲間と起業。ホテルの客室テレビなどを手がけ、取締役の一人として販路開拓や製品開発に国内外を飛び回った。
2011年に新天地を求めて転身し、昨年初めまで自宅近くの食品商社に勤めていた。この間、長女と次女は結婚や就職で家を離れ、残っていた三女も一昨年夏、留学でアメリカへ旅立った。寂しくなった居間で、妻と「最後はどっちかねえ」と笑いながら、ふと今後の生き方を考えた。
「このまま、営業が得意だったおじいさん、で死ぬのは嫌だな」。この時、留学の夢を実現させるため、寸暇を惜しんで机に向かう三女の姿が頭をよぎった。妻に「勉強して資格を取りたい」と相談すると、「私も一緒にやってみようかな」と言い出した。
様々な資格を調べるうち、日本語教師にひかれた。若者と話すのが好きで、企業の役員経験も生かせると考えたからだ。妻は他の国家資格を選び、健闘を誓い合った。
◇ ◇
13年1月、「アークアカデミー」の養成講座に入った。机に向かって勉強するのは大学時代以来で、最初は能率が上がらず、15分の模擬授業の指導案作りに1週間もかかった。しかし、隣の部屋で黙々と勉強する妻を思うと、「負けられない」と熱が入った。
1年後、夫婦ともに念願の資格を取得。57歳になっていた大場さんは母校に採用され、4月から非常勤講師になった。担当するのは、大学や専門学校を目指す留学生クラス。ビザの在留期間が決められているため、学生たちは必死だ。週2回の授業では、実践的な会話が早く習得できるよう、イラストなど教材作りも工夫を重ねる。
「学生たちが合格したよ、と報告しに来てくれたらうれしい」。目を細めて語るその表情は、“先生”そのものだ。(社会保障部 手嶋由梨)
付箋はフィルムタイプ。ケースにしまえば筆箱などに入れても汚れや曲がりを気にせず持ち運べる。幅6ミリの6色セットが340円(税抜き)。幅10ミリの4色セットが280円(同)。問い合わせは同社(0120・510・333)へ。